(冒頭部抜粋)
食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1
実録行政書士開業十年3
大滝七夕
まえがき
私は食えないと言われる行政書士を開業し、十年以上に渡って毎年一千万以上の売上を上げ続けている。
私には、特別な経営のセンスがあるわけではない。
経営の関する一般向けの本は数冊読んだが、経営の専門家として人様にノウハウを語れるようなレベルではない。
おまけに、本来は行政書士に向いていない性格である。
人見知りするし、誰かと話しているよりも一人でいる方が好きなタイプだ。インドア派だし、スポーツだって中国拳法を少々やるだけで、外に出て積極的に活動する人間ではないのだ。
暇があれば、自室に引き籠り、パソコンの前に座って、小説の執筆をしているか、本を読んでいる。
行政書士は、人と積極的に付き合わなければならない業務であるから、私のような人間は本来、行政書士には向いていないのだ。
にもかかわらず、私は、行政書士資格で稼ぎ続けることができた。
幸運に恵まれたことも確かである。学生時代に行政書士事務所で働く機会を得られたし、失業したと思ったら、一緒に仕事してくれる弁護士の先生と巡り合うことができた。
そのあたりのことは、『バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年』にて紹介しているので興味がある方は参考にしていただきたい。
だが、単なる幸運だけで、十年以上も稼ぎ続けてきたわけではない。
やはり、自分なりの経営戦略を持っていたから、稼ぐことができたのだ。『食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2』で紹介しているチラシ小説の手法もその一つだ。
もちろん、チラシ小説の手法は小手先の技でしかない。これだけを実行しようとしてもうまくはいかない。
根本となる大きな経営戦略を有していなければ、行政書士事務所を運営することは難しい。
経営に関する専門的な教育も受けておらず、その手の知識もない私が、生き延びてきたのは、『孫子の兵法』のおかげである。
ご存知の通り、孫子の兵法は戦争のやり方について記した兵法書であるが、その考え方は経営にも活かせるのだ。
私が孫子の兵法に出会ったのは、中学生のころである。幼少の頃より、三国志などの中国古典文学に慣れ親しんできた私が、孫子の兵法に興味を持つのは必然だった。
そのころの私は、孫子の兵法を人生の哲学書だととらえて、書き下し文を諳んじることができるほどに読み込んだ。
頭の中に徹底的にインプットしていたのである。
それがよかったのだ。
行政書士として独立した後で、さて、どうやって稼ごうかと考えた時、真っ先に思い浮かんだのが孫子の兵法の一節だった。
故に善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも、戦うに非ざるなり。人の城を抜くも、攻むるに非ざるなり。人の国を毀るも、久しきに非ざるなり。必ず全を以て天下に争う。故に兵頓れずして、利全かるべし。此れ謀攻の法なり――。
そうだ。無理やり売り込もうとしても、労多くして益がない。売り込みはやめよう。見込み客の話に耳を傾けることを優先しよう。
そのように考えることができたのだ。
さらに、試行錯誤した末に、チラシ小説の手法を生み出したわけであるが、この手法にたどり着いたのも、やはり、謀攻の法の発想が根本にある。
そんなわけで、改めて、孫子の兵法の解説書を引っ張り出し、経営戦略の書であると意識して読み始めると、いくつもの気づきを得ることができた。
私は、クライアントにも孫子の兵法を読むことを薦めた。
もちろん、私のクライアントは、私よりも経営に関する知識も経験も豊富な方がほとんどなのだが、それでも、孫子の兵法のことはよく知らないという方も多く、私が一節一節ずつ解説すると、興味深く話を聞いてくれた。
「なるほど、そういうものなのか」
と感心していただくことも、しばしばで、それならば、孫子の兵法の発想を他の人にも伝えるべきだと思った。
そこで、私は、毎月、クライアント向けに発送しているチラシ小説等の中に、孫子の兵法の解説も盛り込むようにした。これがまた好評でいくつもの感想をいただいてしまった。
もちろん、業界ごとに、解説文は変えてある。建設業界向けのものには、建設業の業務に孫子の兵法の発想をどう生かすべきかという視点で書くし、介護業界向けのものは介護業界に合わせて書いている。
今回は、その解説を行政書士向けに書き直した。私自身が実際に活用しているのだから、私の経営戦略そのものと言ってもよい。
もちろん、行政書士以外の士業――弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士などの仕事にも応用できるものである。
食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1 実録行政書士開業十年3 (行政書士の事件簿ノベルズ(WEB限定版))
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり!
金、経験、人脈なしの最悪の状況から一千万以上稼ぐ行政書士にのし上がった私だけが知っている孫子の極意とは?
私は人見知りをするし、引きこもり体質です。暇さえあれば小説を書くか本を読んでいる人間で、本来は行政書士には全く向いていません。
行政書士を開業した時も登録の費用さえなく、新卒同然でなおかつ、失業状態でした。開業資金も人脈も経験もない、最悪の状況で開業したのです。
それでも、私は、行政書士として十年以上にわたって仕事を続け、毎年一千万以上の売り上げを達成し続けています。
前作――『バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年』や『食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2』で紹介したいくつかのテクニックを駆使していることも食えている理由の一つです。
しかし、チラシ小説などのテクニックは小手先の技でしかありません。根本となる大戦略を有していなければ、とても、十年以上稼ぎ続けることなどできません。
私は、経営に関する専門的な教育を受けたことも勉強をしたこともありません。大学は法学部ですし、その後、大学院で経営学を学んだわけではありません。
経営に関してはど素人です。本来、人様に語れるような学識も経験もありません。
それでも、行政書士事務所の経営を軌道に乗せることができたのは、幼少の頃より、『孫子の兵法』を諳んじていたからです。
ご存知の通り、『孫子の兵法』は、兵法書であるだけでなく、その発想が経営にも応用できるということが言われてきました。
私が、チラシ小説などのテクニックを生み出した根底にも、『孫子の兵法』の発想があります。
この著書で紹介している『孫子の兵法』の読み方は、本来、私のクライアントだけに教えているものですが、今回、特別に、行政書士を開業しようと考えている方に向けて書き直しました。
行政書士を開業するにあたって、『孫子の兵法』の発想をどのように応用したらいいのかと言うことをまとめています。
実際に、私が活用している戦略なので、私の経営戦略をすべて披露するものと言っても過言ではありません。
行政書士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士と言った士業全般にも応用できるので、興味のある方は参考にしてください。
第一巻は、
まえがき
計――孫子の兵法総論、行政書士開業前に考えるべきこと。
作戦――いざ開業したら、短期決戦で勝負をつけよう。
謀攻――戦わずして勝つ。営業をしないで仕事を取ろう。
の四項目を掲載しています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1
実録行政書士開業十年3
大滝七夕
まえがき
私は食えないと言われる行政書士を開業し、十年以上に渡って毎年一千万以上の売上を上げ続けている。
私には、特別な経営のセンスがあるわけではない。
経営の関する一般向けの本は数冊読んだが、経営の専門家として人様にノウハウを語れるようなレベルではない。
おまけに、本来は行政書士に向いていない性格である。
人見知りするし、誰かと話しているよりも一人でいる方が好きなタイプだ。インドア派だし、スポーツだって中国拳法を少々やるだけで、外に出て積極的に活動する人間ではないのだ。
暇があれば、自室に引き籠り、パソコンの前に座って、小説の執筆をしているか、本を読んでいる。
行政書士は、人と積極的に付き合わなければならない業務であるから、私のような人間は本来、行政書士には向いていないのだ。
にもかかわらず、私は、行政書士資格で稼ぎ続けることができた。
幸運に恵まれたことも確かである。学生時代に行政書士事務所で働く機会を得られたし、失業したと思ったら、一緒に仕事してくれる弁護士の先生と巡り合うことができた。
そのあたりのことは、『バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年』にて紹介しているので興味がある方は参考にしていただきたい。
だが、単なる幸運だけで、十年以上も稼ぎ続けてきたわけではない。
やはり、自分なりの経営戦略を持っていたから、稼ぐことができたのだ。『食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2』で紹介しているチラシ小説の手法もその一つだ。
もちろん、チラシ小説の手法は小手先の技でしかない。これだけを実行しようとしてもうまくはいかない。
根本となる大きな経営戦略を有していなければ、行政書士事務所を運営することは難しい。
経営に関する専門的な教育も受けておらず、その手の知識もない私が、生き延びてきたのは、『孫子の兵法』のおかげである。
ご存知の通り、孫子の兵法は戦争のやり方について記した兵法書であるが、その考え方は経営にも活かせるのだ。
私が孫子の兵法に出会ったのは、中学生のころである。幼少の頃より、三国志などの中国古典文学に慣れ親しんできた私が、孫子の兵法に興味を持つのは必然だった。
そのころの私は、孫子の兵法を人生の哲学書だととらえて、書き下し文を諳んじることができるほどに読み込んだ。
頭の中に徹底的にインプットしていたのである。
それがよかったのだ。
行政書士として独立した後で、さて、どうやって稼ごうかと考えた時、真っ先に思い浮かんだのが孫子の兵法の一節だった。
故に善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも、戦うに非ざるなり。人の城を抜くも、攻むるに非ざるなり。人の国を毀るも、久しきに非ざるなり。必ず全を以て天下に争う。故に兵頓れずして、利全かるべし。此れ謀攻の法なり――。
そうだ。無理やり売り込もうとしても、労多くして益がない。売り込みはやめよう。見込み客の話に耳を傾けることを優先しよう。
そのように考えることができたのだ。
さらに、試行錯誤した末に、チラシ小説の手法を生み出したわけであるが、この手法にたどり着いたのも、やはり、謀攻の法の発想が根本にある。
そんなわけで、改めて、孫子の兵法の解説書を引っ張り出し、経営戦略の書であると意識して読み始めると、いくつもの気づきを得ることができた。
私は、クライアントにも孫子の兵法を読むことを薦めた。
もちろん、私のクライアントは、私よりも経営に関する知識も経験も豊富な方がほとんどなのだが、それでも、孫子の兵法のことはよく知らないという方も多く、私が一節一節ずつ解説すると、興味深く話を聞いてくれた。
「なるほど、そういうものなのか」
と感心していただくことも、しばしばで、それならば、孫子の兵法の発想を他の人にも伝えるべきだと思った。
そこで、私は、毎月、クライアント向けに発送しているチラシ小説等の中に、孫子の兵法の解説も盛り込むようにした。これがまた好評でいくつもの感想をいただいてしまった。
もちろん、業界ごとに、解説文は変えてある。建設業界向けのものには、建設業の業務に孫子の兵法の発想をどう生かすべきかという視点で書くし、介護業界向けのものは介護業界に合わせて書いている。
今回は、その解説を行政書士向けに書き直した。私自身が実際に活用しているのだから、私の経営戦略そのものと言ってもよい。
もちろん、行政書士以外の士業――弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士などの仕事にも応用できるものである。
食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1 実録行政書士開業十年3 (行政書士の事件簿ノベルズ(WEB限定版))
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり!
金、経験、人脈なしの最悪の状況から一千万以上稼ぐ行政書士にのし上がった私だけが知っている孫子の極意とは?
私は人見知りをするし、引きこもり体質です。暇さえあれば小説を書くか本を読んでいる人間で、本来は行政書士には全く向いていません。
行政書士を開業した時も登録の費用さえなく、新卒同然でなおかつ、失業状態でした。開業資金も人脈も経験もない、最悪の状況で開業したのです。
それでも、私は、行政書士として十年以上にわたって仕事を続け、毎年一千万以上の売り上げを達成し続けています。
前作――『バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年』や『食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2』で紹介したいくつかのテクニックを駆使していることも食えている理由の一つです。
しかし、チラシ小説などのテクニックは小手先の技でしかありません。根本となる大戦略を有していなければ、とても、十年以上稼ぎ続けることなどできません。
私は、経営に関する専門的な教育を受けたことも勉強をしたこともありません。大学は法学部ですし、その後、大学院で経営学を学んだわけではありません。
経営に関してはど素人です。本来、人様に語れるような学識も経験もありません。
それでも、行政書士事務所の経営を軌道に乗せることができたのは、幼少の頃より、『孫子の兵法』を諳んじていたからです。
ご存知の通り、『孫子の兵法』は、兵法書であるだけでなく、その発想が経営にも応用できるということが言われてきました。
私が、チラシ小説などのテクニックを生み出した根底にも、『孫子の兵法』の発想があります。
この著書で紹介している『孫子の兵法』の読み方は、本来、私のクライアントだけに教えているものですが、今回、特別に、行政書士を開業しようと考えている方に向けて書き直しました。
行政書士を開業するにあたって、『孫子の兵法』の発想をどのように応用したらいいのかと言うことをまとめています。
実際に、私が活用している戦略なので、私の経営戦略をすべて披露するものと言っても過言ではありません。
行政書士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士と言った士業全般にも応用できるので、興味のある方は参考にしてください。
第一巻は、
まえがき
計――孫子の兵法総論、行政書士開業前に考えるべきこと。
作戦――いざ開業したら、短期決戦で勝負をつけよう。
謀攻――戦わずして勝つ。営業をしないで仕事を取ろう。
の四項目を掲載しています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)